director's voice

中村理木工所 木工・漆 大分

Q1
中村理(おさむ)さん、「工房からの風」には、
どのような作品を出品なさいますか?

A1
日々の暮らしに灯る
ランプと燭台
森と食卓を結ぶ
平皿と弁当箱を
連れて行きます

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Q2
中村さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、
または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、そのお話をしてくださいますか?

A2
障子一枚を通して
森を感じられる
漆部屋です

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Q3
中村さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、
大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
小学生の時に
ヤマハゼの藪を漕いで
全身かぶれました

摂り続けても
脱感作されない
漆の持つ力への恐れが
私の種火です

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脱感作
未知の単語でしたので調べてみました。
「だっかんさ」と読むんですね。

アレルギーの原因となる物質を少量ずつ次第に増量しながら定期的に注射し過敏性を除去する療法。気管支喘息ぜんそく・蕁麻疹じんましん・アレルギー性鼻炎などに対して行う。除感作。減感作。(小学館 大辞泉)

漆は本当に不思議な植物です。
そもそも樹木なのに、キヘンではなくサンズイの文字。
乾かすために湿度が必要という不思議。
樹木が自らを修復するために出す液を、人が接着や補強のためにいただいているのですが、そのことに気づき、用いてきた先人の知恵と工夫には驚くばかりです。

そんな漆への興味関心のきっかけだったのが、
同じ科のハゼの木との出会いからだったとは。
中村少年の自然科学的なものへの興味関心は、
今の制作につながっているような気がします。
今回の展示では、作品である木のランプシェードを灯すために、
テントに風力の装置を取り付けたり、
科学的な思考と手工芸的な思想の融合した展開になりそうですね。

10月6日、この日は自由学園明日館で、
手塚えりかさん、森屋茉莉子さん、山口未来さんと一緒におりました。
硝子作品に、昼下がりの眩しい秋の光が射して輝いているとき、スマホが鳴りました。
中村理さんから。
もう間もなくの「工房からの風」での、何か展示場の質問かしら?
と思って出ると、
「先ほど、産まれました」
と。
?!
そうでした、「工房からの風」の頃、初めてのお子さんが誕生すると伺っていたのでした。
穏やかに、力強く、それでいてどこかふわっとしたような不思議な声。
喜びに満ちた声へのお祝いをこめて、この日を中村さんのご紹介の日にしようと思ったのでした。

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中村理木工所(なかむらおさむもっこうしょ)の出展場所は、
おりひめ神社の後方、立体駐車場側。
ホームページはこちらになります。
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人気の竹と漆のお弁当箱や、ランプシェードが連なる
印象的なテントが出現するでしょう。